Summary
完母なのかそれ以外なのかによって、その後の授乳関連タスクが大きく変わる
Discussion
病院から帰ってきた1日目から必要で、かつ最も時間を使うアクティビティの一つが授乳です。授乳は完全母乳(完母)と完全ミルク(完ミ)と混合(母乳+ミルク)の3種類に分けられます。産院では初乳を飲ませながら母乳育児の指導を受けつつ、ミルクを飲ませるという混合の状態からスタートします。その後、どのパターンにするかを選択していくことになると思います。
授乳のパターン
- 完母:母乳のみで育児を行う
- 完ミ:ミルク(粉ミルク、液体ミルク)のみで育児を行う
- 混合:母乳とミルクの混合で育児を行う
なお、このブログではどの方法が良いかについては言及しません。WHO及び厚生労働省は母乳優先の姿勢を取っていますが、メリットについては所説あります。この辺りの議論は専門家に任せたいと思います。
完母について
母乳が出産後の1日目から十分に出て、即日完母に移行できるということはほぼありません。母乳を十分に提供するにしても、徐々に母乳を出すように母体側でトレーニングが必要です。子どもを産んだら自動的に十分な量の母乳が出てるという都合の良い考えは捨てましょう。授乳時も赤ちゃんは勝手に乳首に吸い付いてくれるわけではなく、赤ちゃんに上手く吸ってもらうように工夫を凝らさなければいけません。そこをクリア出来ても、乳房に痛みを感じたり、乳管閉塞のようなトラブルが発生することもあります。止める時(卒乳)も非常に大変です。出ているものを出なくするには、時間がかかります。
どのパターンを取るかについては各家庭でいろいろな考え方があるため、どれが良いというのは特にないです。母乳にするか、ミルクにするか、メリットやデメリットは論じられていますが、どちらを使っても結果的に赤ちゃんは大きくなっていくからです。WHOや厚生労働省は「母乳が一番良い」という事を言っていますが、母親以外が授乳の方法について強いる(例えば父親が「母乳じゃないと母親失格」などという妄言を吐く)のはやめるべきでしょう。中には母乳が良いと思っても、いろいろな理由で出来ない方もいます。極度の母乳信仰は家庭を壊す最適解となることでしょう。
男性から母乳が出るわけではないので、完母の場合は子どもに母乳を飲ませるのは妻のタスクとなります。夫側から手助けを行うことはできません。母乳に関してのトラブルも、夫側からサポート出来るようなことはあまり無いです。母乳での授乳というタスクを細分化したとしても、げっぷをさせるくらいしか受け持つタスクは無いです。となると、授乳という行為自体がどうしても妻側に一方的に負荷がかかるタスク、かつ妻側がコントロールするタスク、という事になります。
授乳というタスクは、特に乳幼児では生活の中心になります。授乳の合間に他のタスクを実行したり、泣いているときに授乳して落ち着かせたり、と、他のタスクと密接に絡んで来ます。そのため、授乳というタスクのコントロールが妻に寄ってしまうと、他のタスクも妻がメインでコントロールせざるを得なくなるような状況になります。夫は指示待ちにならざるを得ないので、育児に対する主体性が無くなり、やがて他のタスクもやらなくなり、育児全体からフェードアウトする、という最悪の事態に陥りかねません。
これを防ぐには、①混合に移行する ②夫側の強靭な意思 ③搾乳、といくつか取りうる方法があります。これも各家庭によって採用することになるでしょう。
完ミについて
完ミ、完ミに近い混合などの場合は、ミルク作りの工程(調乳工程)を夫側が担当することができます。また、夫側がミルクを哺乳瓶経由で授乳出来るため、夫側が主体的に授乳に関わることが出来ます。授乳の前にはおむつを替えたりしますし、授乳の後には寝かしつけをしたりするので、育児関連タスクを一連の流れで処理できます。このように、完ミの場合は夫側に授乳にかかわろうとする意志さえあれば、自ら主体的に育児を行うことが出来ます。
混合について
混合の場合は、完母か完ミのどちらに近いか、によって変わってきます。完母寄りの混合の場合は、完母と同じ課題が出てきます。完ミ寄りの混合の場合は、完ミと同じ課題が出てきます。その意味においては、混合はあまり複雑な考察はいらないでしょう。
それぞれのメソッドのメリット、デメリットなどは論争にもなってくると思うので深入りしません。また、完母については我が家では選択しませんでしたので、今後の記事で完母に関するTipsはほとんど出てきません。完母と完ミで授乳のタイミングや実施方法は全く異なります。そのため、母乳育児については書くことが出来ない、というのが正確なところです。
完ミ・混合については引き続き考察を続けていきます。
授乳に関する厚生労働省の資料
ちなみに少し古いですが、平成27年度に厚生労働省が実施した乳幼児栄養調査という資料があります。これを見ると、過半数の家庭が完母で子どもを育てているようです。
厚生労働省から「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」という資料も出ています。
My Case
双子であったため、完母は早々に諦めて混合を選択しました。双子で完母を続けている家庭はあるのでしょうか?すさまじい労力だと思います。
出生後からすぐ完ミに限りなく近い混合を続けていますが、もうそろそろ(生後3か月強)で完ミに移行することを考えています。完ミ(に近い混合)で便利だなと思ったのは、授乳出来た量がわかる、という事です。母乳の場合は前後に体重を計測して飲んだ量を確認しないといけないのですが、完ミの場合はあらかじめ授乳量を決められます。個人差はありますが、スタンダードな授乳量というのがありますので、その量と照らし合わせながら、ある程度計画が立てられます。また、授乳間隔についてもコントロールが効きやすいと思います。
完ミに近いので、当然のごとく病院から帰ってきた初日からどっぷりと授乳関連タスクを実行しました。今では妻と同じ程度にはこなせているという自信があります。
母乳育児が良いかどうかについては深入りを避けますが、いくつか私自身が参考としたURLをあげておきます。
「母乳・ミルク・混合」結局どれがいいの? 東大医学部卒のママ医師が徹底解説
Lessons Learn
母乳の強要ダメ、絶対
Next Action
完母を選択してこのブログから離脱するか、完ミ・混合(総論)へ進んでください。
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