Summary
やらない方が無難だが……
Discussion
新生児、特に病院から帰ってきた直後は、最長でも3時間おきに授乳することが求められます。夜中のミルク作りは結構過酷で、そもそも調乳ポットなどが無い場合はお湯を沸かすところから始めないといけないです。眠い、寝ぼけているので粉ミルクをこぼす、お湯をこぼす(手にかけてしまう)、量を間違える、乳首が上手く装着出来ない、子どもは泣いている、といった具合で、頭がおかしくなりそうになります。
ミルクの作り置き
この事態を改善するために、色々と考えるわけですが、なかなかいい方法が無いというのも正直なところです。前段で色々と道具を紹介しましたが、他にも粉ミルクの測り置き(あらかじめ哺乳瓶に必要な粉ミルクを入れておく)など、少しでも夜中の作業を減らそうと色々と工夫を凝らす家庭が多いことだと思います。
一つの解決策として、あらかじめミルクを作っておいて、冷蔵庫で保管するという「作り置き」があります。作り置きをして冷蔵庫に置いておくと、夜中にミルクを温めるだけでよいので、夜中のミルク作り作業をほぼゼロにできます。作り置きして大丈夫なの?という疑問があると思いますが、5度以下の冷蔵庫で保管する分には、24時間以内に消費すればよいという事がガイドラインにも記載されています。
厚生労働省の「乳児用調製粉乳の安全な調乳、 保存及び取扱いに関するガイドライン」
作り置きの注意点
このガイドライン(セクション2.1.5 時間をおいてからの使用のための事前調乳)には細かく記載されていませんが、医師監修の記事によると、以下のような注意が必要とのことです。
「ミルクをお湯で溶かした後に氷水などで急速に冷却し、清潔かつ5度以下に保った冷蔵庫の中に入れる事」
一旦温めた後で適温で置いておくと菌が繁殖するため、急速冷凍の必要があるようです。また、保管は扉の開閉で温度に影響が出るドアポケットではなく、冷蔵庫の奥の方に置くべきだそうです。ドアポケットだとドアの開閉で温度が低い状態で安定しないため、冷蔵庫の中でも温度が安定して低い奥の方が保管には適しているようです。上記を満たすことにより、菌の繁殖が抑えられてリスクが少ないというものです。
作り置きの是非
しかしながら、上記の勧告は色んな箇所で非現実的なものです。まず、氷水で急速に冷却するという工程を実施するのは、夜中作った方が良いと思う程度に面倒です。さらに、冷蔵庫の奥の方に入れるという事ですが、一般的には120ml位の哺乳瓶でも冷蔵庫の棚の高さよりは高いので、奥に入れられません。蓋がついていたとしても、哺乳瓶を横には出来ません。棚をぶち抜きで保管すればよいのでしょうが、他の食べ物などとの兼ね合いがあるので難しいのではないでしょうか(野菜室であれば可能でしょうか?)。食べ物などが入っている冷蔵庫で、菌が少ない清潔な状態、というのもハードルが高いです。ミルク用の個別冷蔵庫を準備できるのであればまだしも、一般家庭でセカンド冷蔵庫を持っているところは少ないのではないでしょうか。
私の「難しい」という感想は、医療関係者も同様に思っています。
上記を勘案すると、作り置きは止めておいた方が無難である、という結論になると思います。
My Case
作り置きしました。
夜の最後の授乳のタイミングでミルクを3回分作り、1回分を授乳し、2回分は冷やすことなく冷蔵庫のポケットに直入れしていました。ピジョンのスリムタイプの母乳実感には蓋が無いので、乳首が出た状態で保管しました。冷蔵庫内の温度がどれくらいだったかについては、測っていません。
育児の現実
睡眠不足は深刻で、朦朧としながら授乳する日々が続いたため、この方法は我々夫婦にとって救世主でした。この方法を使わなかったら、どちらかが倒れていたと思います。リスクについては承知していましたが、他にやるすべがありませんでした。
基本は3時間おきの授乳でしたが、正確に3時間寝てくれるわけではないです。2時間で泣き始めるときもありますし、授乳に1時間以上かかる場合もあります。そうすると、親側の睡眠時間はどんどん無くなっていくわけです。
この状態がどれくらい厳しかったかというと、規定量ミルクを飲まない子どもにイライラをぶつけてしまって後悔したり、飲んでくれるように子どもに懇願して我に返ったり、と、正気ではかったです。双子なので時間差で泣かれることもありました。
椅子に座りながら授乳して、くらっと来て赤ちゃんを落としそうになったこともありました(これ以降、床に座って授乳するようになりました)。
現時点での問題点
現時点で赤ちゃんがお腹を下したり、健康被害が出たりという事はありません。3カ月弱くらいで夜中に起きることが無くなりましたので、作り置きは不要となりました。
Lessons Learn
ガイダンスに厳密に従う場合は、作り置きはしない。夜中の調乳が厳しい場合はリスクを覚悟で実施することを検討する
Next Action
夜中の授乳がどれくらい大変なのか実際にやってみる。耐えられない、となったら、作り置きを検討する。
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